友達と協力できない・失敗で怒る子が劇的に変わる?宜野湾市の放課後等デイサービスが実践するマインクラフト療育「SOUプレイ」とは
「緑色の板のある曲がり角だよ!」画面の前で前のめりになったAくんが、隣に座る友達にわかりやすく声をかけました。
放課後等デイサービス SOU NEXT ジュニア志真志(宜野湾市志真志)では、子どもたちに大人気のゲーム「マインクラフト」を活用し、他者との円滑な関わり方を学ぶ集団コミュニケーション課題「SOUプレイ」を実施しています。
「友達と遊んでも一方通行になってしまう」「ゲームで負けたり失敗したりすると、ついカッとなって暴言が出てしまう」「相手の気持ちを汲み取ることが苦手」といったお悩みを抱える保護者様へ向けて、ゲームを通じて相手目線のコミュニケーションを育む療育のアプローチと、ご家庭でも今すぐ実践できる具体的な関わり方のコツをお届けします。

【ご家庭でもできること】指示やお願いは「色」や「位置」の目印を添えて伝える
お子様へ何かをお願いするときや探しものを伝えるとき、「あれ取って」「部屋を片付けて」といった曖昧な声かけになっていませんでしょうか。
今日から試せる関わり方として、「何色・何の横」という具体的な目印を1つ添えて伝えることを意識してみてください。
例えば、「棚の上にある青いカゴの横にあるノートを取ってね」「玄関の右側の棚に赤い上着をかけてね」といった声かけです。
抽象的な表現はお子様にとって頭の中で処理しにくく、見つからない焦りからパニックやイライラの原因になることがあります。大人が「相手からどう見えているか」という目印を共有する話し方を日常的に見せることで、お子様自身も学校や友達に対して「相手に伝わる客観的な言葉」を使って説明する習慣が自然と身についていきます。
【活動エピソード】4人1組の協力プレイで生まれた「ナイス!」と相手目線のアシスト
宜野湾市志真志の当ラボで行った「マインクラフト」は、敵と戦って勝敗を決める対戦型ではなく、4名1チームで共通の目標を達成する「完全協力型」のプログラムです。
ゲームを始める前には必ず10分間の作戦会議を設けました。それぞれが得意なこと・自信のある役割(素材集め、設計、組み立てなど)を話し合い、お互いの苦手な部分を補い合えるチーム編成を作ってからスタートします。
以前のAくんは、友達と一緒にゲームをしていても自分の思い通りに進まないと自己嫌悪に陥ってしまったり、一人で勝手に進めてしまったりする場面が見られました。
しかし、今回の活動では大きな変化が生まれました。友達が迷っている様子に気づくと、「XボタンとYボタンを同時に押すとアイテムが出るよ」と操作方法を丁寧に教えたり、どこへ行けばいいか分からない仲間に対して「赤色の扉の横だよ」と目印を伝えたりと、「やってあげる」のではなく「相手ができるようにアシストする」姿が見られたのです。
失敗やすれ違いが起きた場面でも、事前に決めたルールを思い出し「どんまい!」「ナイスチャレンジ!」と励まし合い、ゴールした瞬間には「ありがとう!」と自然にハイタッチを交わしていました。

【発達の視点から】子どもたちの協調性と自信を引き出す2つのアプローチ
マインクラフトという共通の遊びを通じて、指導員は専門的な療育の視点からお子様の行動を細かく観察・サポートしています。今回の取り組みにおいて重視したポイントは以下の2点です。
1. 「客観的思考」の獲得(相手の視点や立場に立って物事を捉える力)
子ども同士のコミュニケーションでよく起きるのが、「あっち」「それ」といった主観的な表現による行き違いです。相手から自分の画面が見えていない状況で意思疎通を図るためには、「相手からは何が見えているか」を想像しなければなりません。「何色の扉」「どの建物の横」という目印を伝える練習を重ねることで、自分中心の捉え方から脱却し、客観的思考(相手の視点に立って状況を言語化する力)が養われます。
2. 事実ベースの表彰による「自己効力感」と「代理体験」
活動の最後には振り返りの時間を設け、相手を助けた言葉かけや前向きな切り替えができた行動を具体的に表彰しました。「頑張ったね」という感覚的な褒め言葉ではなく、「Aくんが〇〇さんにコントローラーの押し方を言葉で教えられたね」と事実ベースで伝えることで、自己肯定感が揺らぎやすいお子様でも達成感を実感し、自己効力感(自分ならできるという確信)を高めることができます。
さらに、仲間が表彰される姿を見ることは、周囲の子どもたちにとっても代理体験(他者の成功を目にして、自分も同じようにできると感じること)となり、ラボ全体でポジティブな声かけが広がっていく好循環を生み出します。
【安全への取り組み】トラブルを防ぎ、安心して自己表現できる環境づくり
宜野湾市にある当ラボでは、ゲームを用いた集団活動において子どもたちが感情的になってパニックを起こしたり、傷つけ合ったりすることがないよう、万全の安全管理体制を敷いています。
- ポジティブワードへの変換ルール:ゲーム開始前に「失敗したときこそ味方を励ます言葉(どんまい・ナイスなど)を使う」ことを全員で声に出して確認し、否定的な発言が出にくいルールを構造化(目に見える形で分かりやすく整理すること)しています。
- 手厚いスタッフ見守り配置:児童4名の1チームに対し、専任スタッフ2名が常時間近で見守りを行います。言葉が詰まった際のアシストや、不穏な空気になりかけた際の素早い仲介を実施します。
- クールダウン用スペース(静養室)の完備:ゲームの刺激によって興奮が高まりすぎたり、悔しさで気持ちのコントロールが難しくなったりした場合には、無理に参加を続けさせず、照明を落とした個別静養室へ移動して穏やかにクールダウンできる体制を整えています。
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