【動から静へ切り替える力】感覚遊びで育む身体の自己コントロール
「よいしょ、よいしょ!」と全身に力を込めてカーペットを引き、運ぶ相手の顔を見てパッと笑顔を咲かせるお子さんの姿がありました。
放課後等デイサービス SOU NEXT 海邦(沖縄県沖縄市海邦)では、小学校や中学校に通う低学年から高学年までのお子さんを中心に、専門スタッフがチームとなり、身体づくりと社会性を育む療育をお届けしています。
「一度興奮してしまうと、なかなか気持ちを落ち着かせることができない…」
「力加減の調整が難しく、物を乱暴に置いてしまったり、お友達との関わりで強さのコントロールができなかったりする…」
「じっと座って姿勢を保つことが苦手で、身体がグラグラと揺れてしまう…」
そんなお悩みをお持ちの保護者様はいらっしゃいませんか?
学校生活が始まってから、「うちの子、少し周りの子と動きや気持ちの切り替えが違うかもしれない」「学校では頑張っているようだけれど、家では困りごとが多い」と不安を感じ、「沖縄市 放課後等デイサービス」や「発達支援 学童」とスマートフォンで検索されている方もいらっしゃるかもしれません。
元気いっぱいに活動することは素晴らしい一方で、場面に合わせて自分の身体の動きや感情をブレーキのようにコントロールすることは、多くのお子さんにとって難しさを感じやすい発達のステップです。
毎日の子育て、本当にお疲れ様です。
この記事では、「カーペットタクシー」と「巨大テトリス」という2つの感覚遊びを組み合わせた活動を通して、全身の力をしっかり使う体験から、静かに集中して力加減を抑える体験へと繋げていく支援のアプローチ、そしてご家庭でもすぐに試せるヒントをご紹介します。
同じような悩みを抱えるご家庭はたくさんありますので、この記事が毎日頑張る保護者様のホッとできる時間になれば嬉しく思います。

① 本日の課題、発信したい記事
沖縄市海邦の事業所内活動スペースにて、子どもたちが大好きな「感覚遊び」の活動に取り組みました🎨
今回は、身体全体をダイナミックに動かす課題と、指先や体幹を意識して繊細にコントロールする課題の2つを連続して組み合わせたプログラムです。
1つ目の遊びは「カーペットタクシー」です。
床の上に広げたカーペットにお友達やスタッフを乗せ、両手で端をしっかりと握りしめて目的地まで運ぶゲームに挑戦しました。
「乗っていいよ!」「しっかりつかまってね」と声を掛け合いながら、足の裏全体で床を踏みしめて引っ張ります。
人の重さを全身で受け止めながら思い切り引っ張ることで、身体の奥深くにある感覚をたっぷりと満たしていきました。
続いて間を置かずに挑戦したのが、2つ目の遊び「巨大テトリス」です。
段ボールやウレタンで作られた大きなブロックを、倒れないように慎重にお友達と協力して積み上げていくゲームです。
直前までカーペットを全力で引っ張って身体が高揚していた子どもたちですが、ブロックを手にした瞬間に表情が真剣な眼差しへと変わりました。
「倒れちゃうから、そーっと置こう」「ここを持っててあげるね」と小声で伝え合いながら、グラつくブロックのバランスを保ちます。
大きなブロックを崩さないよう、指先や腕の力加減を調節しながら、身体の揺れをグッと抑えて静かに積み重ねる素晴らしい姿が見られました👏


② 安全のための取り組み
STEP1:活動前の明確なルール確認と衝突防止の動線確保
激しい運動を伴うカーペットタクシーを行う前に、「引っ張るルートを守ること」「乗っている人はカーペットから手足を出さないこと」「交代の合図があったらすぐに手を離すこと」を全員で確認しました。
子どもたち同士がぶつかったり壁に接触したりしないよう、フロアの中央に広めの直進コースを設定し、進行方向と待機場所をテープで色分けして視覚的に区切りました。
活動の進め方と自分の番を待つ場所がひと目で分かるようにすることで、子どもたちが見通しを持って落ち着いて参加できるよう配慮しています。
STEP2:身体への過度な負荷や転倒を防ぐ適切な見守り
カーペットを引く際には、急に強い力で引っ張りすぎて腰や手首を痛めないよう、スタッフが近くに付き添いました。
乗る側の体重が重すぎないように組み合わせを配慮し、引き手のお子さんが無理のない前傾姿勢を保てているか、足元が滑っていないかを細かく確認しました。
また、巨大テトリスのエリアでは、高く積み上げたブロックが崩れた際に顔や頭に当たらないよう、柔らかい軽量素材を選定し、スタッフが崩れそうな瞬間を横から支えられる位置を常にキープしました。
STEP3:活動の切り替えを促す環境調整とクールダウン
カーペットタクシーで高まった身体の興奮をそのまま次の活動に持ち込まないよう、2つの課題の間に一度その場で深呼吸をする時間を設けました。
照明の明るさを少し落ち着かせ、スタッフの語りかけるトーンを意図的に静かな低音へと切り替えることで、子どもたちの聴覚と視覚の刺激を穏やかに整えました。
興奮した状態から静かな集中状態へと自然に移行できるよう、物理的・心理的な切り替えの橋渡しを丁寧に行っています。
力を使う活動から静かに集中する活動へ移行する際は、言葉で「静かにしなさい」と叱るのではなく、事前の動線整理やスタッフの声のトーン、照明の工夫など、環境面から自然にクールダウンを促すアプローチが非常に効果的です。

③ 発達の視点から
STEP1:固有受容覚の充足と体幹・姿勢保持の安定
カーペットタクシーで人の乗った重い荷物を全身の力で引っ張る動作は、固有受容覚(筋肉の伸び縮みや関節の曲がり具合、身体にかかる抵抗を無意識に感じ取る感覚)を強力に刺激します。
日常の中でじっと座っていることが難しかったり、頻繁に身体を揺らしてしまったりするお子さんは、この固有受容覚への刺激が不足しており、脳が「もっと身体を使いたい」と無意識に求めている場合があります。
全身を使って力いっぱい引く経験を通して感覚欲求がしっかりと満たされると、脳の覚醒水準が安定し、その後の落ち着きにつながりやすくなります。
また、重いものを引っ張ることで背筋や腹筋、足回りの筋肉が連動し、身体の芯となる体幹の筋力が向上します。
続く巨大テトリスでは、大きなブロックを持ちながら自分の身体がグラつかないように足腰で支える必要があり、これが体幹の安定性をさらに高めます。
以前は立って作業をする際に足元がふらつき、机にもたれかかってしまうことが多かったお子さんが、ブロックを持ったまま両足で床をしっかりと捉え、真っ直ぐな姿勢を維持して手を伸ばす姿が見られました。
この体幹の安定は、学校生活における長時間の着席や、ノートに文字を書く際の正しい姿勢の基盤となります。
STEP2:「高出力から抑制へ」の移行による自己コントロール力と社会性の育ち
今回のプログラムで最も大切にしたのは、「カーペットを力いっぱい引く(高出力・動的な動き)」から「ブロックを倒さないようにそっと置く(運動抑制・静的な動き)」という、対極にある動きを連続して体験することです。
子どもたちにとって、一度全開にしたエネルギーにブレーキをかけ、力加減を微調整することは非常に高度な運動制御です。
巨大テトリスで大きなブロックを積む際、勢いよく置いてしまうとタワーはすぐに崩れてしまいます。
子どもたちはブロックが揺れる様子を目で見て確認し、自分の腕の筋肉の緊張を緩め、「そーっと、ゆっくり」と力加減を自らセーブしていました。
これは、自分の身体の動きを状況に合わせて制御する自己コントロール力(興奮した気持ちや身体の勢いを自分で調整する力)が大きく働いている瞬間です。
さらに、巨大テトリスはお友達と一緒にブロックを積み上げる協力課題です。
「自分が急いで置いてしまうとお友達のブロックが落ちてしまうかもしれない」と周囲の動きに意識を向けることで、他者配慮(相手のペースや気持ちを思いやる力)や社会性が自然に引き出されます。
以前はゲームに夢中になると周りが見えなくなり、ブロックを次々と投げ入れるように置いていたお子さんが、お友達が手を添えているのを見てそっと手を離し、「乗ったね!」と顔を見合わせて微笑む姿が見られました。
身体の出力を自分で調整できたという成功体験は、学校やお友達同士の集団生活の中で、衝動的な行動を抑えたり、適切な力加減で関わったりするための大きな自信へとつながっていきます。

- 固有受容覚の充足と体幹強化:重いものを引くダイナミックな全身運動が身体感覚を満たし、グラつきのない姿勢保持を支えます。
- 運動の抑制と力加減の調整:全開にした力を「そっと置く」繊細な出力へとコントロールする経験が、感情や衝動の調整力を養います。
- 協調運動と社会性の芽生え:お友達と息を合わせてバランスを保つ共同作業を通して、相手を思いやるコミュニケーションを育みます。
🔹【お金の計算と上手な断り方】SSTで育む自己決定と対人スキル|放課後等デイサービス SOU NEXT海邦(沖縄市)
お買い物の場面を通して自分で判断し、お友達と良好な関係を保つ対人コミュニケーションの練習についても、ぜひ併せてご覧ください!
④ ご家庭でもできること
STEP1:「重いものを運ぶ」から「食器をそっと置く」へのお手伝い遊び
ご家庭で「落ち着きがない」「力加減が強すぎる」と感じたときは、言葉で「落ち着きなさい」と注意する前に、全身の筋肉をしっかり使うお手伝いを頼んでみてください。
今日の夕方の時間に、洗濯物が入った重いカゴを運んでもらったり、お米の袋やペットボトルのストックを両手で持って運んでもらったりするのがおすすめです。
重いものをグッと力を込めて運ぶことで、身体の感覚が満たされ、興奮した脳がリラックスしやすくなります。
そして、重いものを運び終えた直後に、「ありがとう!次は割れないように、このお皿をテーブルにそーっと置いてくれる?」と、繊細な力加減を必要とする次のお手伝いをお願いしてみてください。
ダイナミックに力を使った後に、静かにブレーキをかけて「そっと置く」という一連の流れを経験することが、身体のコントロール力を高める最高の練習になります。
上手にお皿を置くことができたら、「音を立てずに優しく置けたね」「力加減がとっても上手だね」と、具体的な行動を肯定してあげてください。
特別な運動器具や高価な知育道具を買い足す必要はまったくありません。
日々の生活習慣の中にある小さなお手伝いを通して、お子さんの「できた!」という実感を大切に見守ってあげてください。

言葉による注意だけで力加減を身につけさせるのは困難です。
「重いものをしっかり運ぶ(筋肉の活性化)」の後に「壊れないようにそっと置く(出力の抑制)」という順序をご家庭のお手伝いに取り入れることで、お子さん自身が身体のブレーキを自然と学んでいくことができます。
思い切り力を発揮したあとの、誇らしげで柔らかな子どもたちの表情に出会えることが、私たちスタッフにとっても大きな喜びです✨
放課後等デイサービス SOU NEXT海邦では、一人ひとりの個性と発達段階に寄り添いながら、日々の生活が少しでも過ごしやすくなるような楽しい療育をこれからも大切にしてまいります。
お問い合わせ・ご見学
【見学・ご相談を受け付けております】
「学校終わりでも通えるかな」「うちの子に合うだろうか」と迷われている段階で構いません。
まずは一度、見にいらしてください。
放課後等デイサービス SOU NEXT 海邦
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